事の発端は、マーク・ラムザイヤー教授(ハーバード大学)の「太平洋戦争における性の契約(Contracting for sex in the Pacific War)」というタイトルの論文。昨年12月1日に『International Review of Law and Economics』誌のオンライン版に掲載された。人身売買や児童買春なども”自発的な契約”であると主張し、太平洋戦争中の”慰安婦”も自発的であったと主張したいがために、ゲーム理論の名を借りたラムザイヤー論文に、多くの経済学者が強い懸念と違和感(あるいは怒り)を示している。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)政治学部の学部長マイケル・チェ教授が起草した経済学者による声明には、2月24日時点で、919名の賛同が集まっている。公開された賛同者リストをみると著名な経済学者たちも名を連ねていることがわかる。起草者のチェ教授自