いずれにせよ、私の記憶に間違いがなければ「人手不足」が社会問題と化したのは2013年頃です。あれから10年も経過しているのに、なぜ、いっこうに人手不足が解消されないのか? そして経済学の基本から考えれば、人手不足になると賃金が上昇して当たり前なのに、日本では「賃金の上方硬直性」とでもいうべき“珍現象”がおこり、その状態が今も続いています。 “人手不足スパイラル”で深刻化する、大企業と中小企業の格差 もし、ここまで読んで「え、なんで? うちの会社は給料あがったけど?」「賃上げがトレンドじゃないの?」と感想をお持ちなら、それは「あなた」が大企業の会社員だからかもしれませんね。 経団連によると、大手企業の賃上げ率は5.58%で過去最高。定期昇給を含む月例賃金の引き上げ額は、平均(回答89社)で1万9480円です(日本経済団体連合、5月20日公表、外部リンク)。 しかも、厚労省が発表した2023年