企業や病院など、長年、赤字が続いた企業や組織の経営を次々と任され、全て立て直すという驚くべき手腕を発揮した経営者がいる。現在、JR貨物の相談役を務める石田忠正氏だ。 日本貨物航空(NCA)の自立化に道筋をつけた石田氏は、日本でもトップクラスの医療水準を持ちながら、赤字経営が続いた公益財団法人がん研究会という病院・研究所の再建に挑み、医師や看護師、職員らと共に取り組んで短期間に大幅な収支改善を果たした。 その石田氏に、国からJR貨物再建の依頼が届いた。石田氏は依頼を引き受け、幹部全員の集中合宿を開催した。それを契機に幹部の意識が大きく変化し、長らく続いた貨物鉄道事業の赤字脱却、そして黒字化へ向けての決意が固まった。幹部の決意は、やがて全国の現場にも浸透し、あらゆる社員たちが、昨日より今日、さらに明日へと、よりよい結果を目指すようになり、黒字化達成への気概が会社全体にみなぎってきた。 1. 第
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