経団連の十倉雅和会長によれば、物価高騰は現代の「黒船」だ。エネルギー・食品価格上昇という形の新たな外圧が、30年に及ぶ日本の賃金の停滞を打ち破ると見込まれている。 少なくとも、それが理論だ。衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが国内従業員の報酬を最大40%アップするというニュースを聞くと、この理論を信じたくなる。サントリーホールディングスやキヤノンなどの賃上げに関する報道も、こうした流れを示唆している。 この動きを岸田文雄首相は歓迎するはずだ。支持率が政権発足以来の最低に落ち込んだ同氏は、物価上昇率を超える賃上げを企業に要請している。 しかし、日本の労働者はまだ給与アップを見込んで消費を始めるべきではない。今年の春闘に関して明るいニュースが伝えられるかもしれないが、春闘は過去にほとんど成果を残していない。安倍晋三政権時代の初期、大企業は否定的な報道を避けたいこともあ
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