岸田文雄首相は「30年ぶりの高い水準の賃上げ」が実施されるなど、日本経済には前向きな動きが生まれていると豪語する。たしかに大企業を中心に今春闘では高水準の賃上げ回答が見られたが、大半の庶民には実感が及ばない。経済アナリストの佐藤健太氏は「日本の平均年収は443万円だが、物価に加えて国民負担率も上昇しており、所得格差、世代間格差が激しくなっている。これから『超弱肉強食時代』が到来するだろう」と警鐘を鳴らす。 30年ぶりの高水準の賃上げをアピールする岸田首相 「政策的対応もあって、足元では全体で3.66%、中小企業でも3.36%という実に30年ぶりの高い水準の賃上げや100兆円を超える国内投資など、企業の高い投資意欲の発揮、そして33年来の高い株価水準など日本経済には前向きな動きが着実に生まれている」。岸田首相は6月21日の記者会見で、このように自らの経済政策の成果を強調した。 企業に繰り返し