日本の新型コロナウイルスの第8波における死亡者の増加が際立っている。 厚生労働省のオープンデータを見ると、統計を取り始めた2020年5月9日から2022年1月21日までの約2年10カ月の間に新型コロナに感染して亡くなった人は6万4430人。第8波に入って急増しており、昨年12月1日から今年1月21日までの2カ月にも満たない期間で1万5399人に上る。累計死亡者のおよそ4人に1人がこの第8波で亡くなっているとみられる。 第8波で亡くなっている人の多くは脆弱な高齢者 報告されている死亡者の多くは、介護施設で暮らしているような脆弱な高齢者だ。 日本の高齢者に対するワクチン接種率は十分に高い。一般人口で見ても、オミクロン株が感染しやすいために自然感染をする人も多く、筆者が所属する東京財団政策研究所の推計では、人口の集団免疫レベルは、ワクチン接種と自然感染の合計で全人口の70%程度であり、十分に獲得