昆虫少年の探究心が世界に通じた。杉戸町の柴田亮さん(12)はカブトムシが大好きな小学生。夏休みの自由研究で「日本のカブトムシは夜行性」との定説を覆し、その成果が米国の生態学専門誌「エコロジー」に掲載された。「うれしいよりびっくり」。素直に語る表情はあどけない。 「角の形が芸術的」と評するカブトムシとの出合いは幼稚園児のころ。訪れたさいたま市内のキャンプ場で採集を試みたが、一匹も捕まえられなかった。落胆して帰宅すると、自宅近くのクヌギの木にたくさんいるのを見つけた。 自宅の庭でも探すようになり、異変が起きたのが二〇一九年の夏。東南アジア原産のシマトネリコの木に、日中からカブトムシが集まっていた。「夜行性のはずなのに、なぜだろう」。疑問が浮かび、時間帯ごとに個体数を毎日数えて記録することにした。