新型コロナウイルス(以下、コロナ)対策の迷走が続いている。何が原因だろうか。私は、専門家の暴走をチェックするためのシビリアン・コントロールのあり方に問題があると考えている。本稿でご紹介したい。 8月10日、朝日新聞は「コロナ対策 分科会開き議論を尽くせ」という社説を掲載し、専門家を軽視する岸田政権を批判した。確かに、分科会を開催しないことは問題だ。朝日新聞の主張は一見、「正論」だ。ただ、それでいいのだろうか。もし、専門家が間違っていたら、どうなるのだろうか。 8月19日、アメリカ疾病対策センター(CDC)は、新ガイドラインを発表し、アメリカ国民のほぼすべてがワクチン接種と感染で免疫を獲得した現在、感染者の強制隔離や社会的距離は不要との方針を示した。これは経済を活性化させたい政治家や官僚の発言ではない。医学・公衆衛生の専門家の意見なのだ。 日本とアメリカの専門家はどちらが正しいのか これは「