現在、ネットフリックスで配信されている『すべては神のために:裏切られた信仰』は、カルト宗教の闇を暴いたドキュメンタリーシリーズで、韓国でいま話題をさらっている。 このシリーズの第1弾は、10年ほど前にも話題になっていた「キリスト教福音宣教会(通称JMS)」である。 JMSは1978年に創立され、80年代から大学生を中心に広がっていった。 1980年代から90年代まで、軍事政権下の韓国では学生デモなどが活発で、キャンパス内には学生デモを鎮圧するための催涙弾と警察に対抗する火炎ビンが飛び交っていた。 憂鬱な時代の中で行き場をなくした大学生を、キリスト教という宗教のもとに集わせ、文化的なイベントをたくさん開いて彼らの心をつかみ取ったのだ。 実は、今でも大学生のサークルに紛れ込み、大学生を勧誘しているという。 JMSを率いるチョン・ミョンソクは、1945年生まれで小学校を出てから山で修行し、40代