ドイツ南部にある1400年前の墓地で見つかった頭骨には、人為的に変形された跡があった。左側の頭骨は大きく変形され、中央はわずかに変形されたもの。専門家は、頭蓋変形がドイツよりも東方に住む民族の風習だったと考えている。(PHOTOGRAPH BY STATE COLLECTION FOR ANTHROPOLOGY AND PALEOANATOMY MUNICH, GERMANY) 4世紀から7世紀の欧州では、ゲルマン系のゴート族やバンダル族がさかんに西へ移動していた。いわゆる「ゲルマン民族の大移動」だ。彼らは衰退するローマ帝国の領地に次々に侵入し、定住した。なかでもバイエルン人は、6世紀前後に現在のドイツ南部に移住した民族だが、その墓地から、この地方には珍しい細長く変形した女性の頭骨が見つかり、専門家らは半世紀以上も頭を悩ませてきた。 頭蓋を人為的に変形させるこうした風習は、当時の欧州ではい
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