筆者は1981年まで宮崎県宮崎市に住んでいたが、市内に本屋はかなり多かったように思う。近所に小さい書店が2箇所、繁華街に大型書店が2店舗あったほか、4つあったデパート内にも大きな本屋が入っていた。子どもの頃からSFと推理小説マニアだった筆者は、目的の本が見つからないとあちこち本屋をはしごして、マイナーな小説を探したものだった。 上京してからも、渋谷、新宿、神田、お茶の水、池袋など、学生がうろうろしてそうな街の本屋には大抵足を運んだ。今考えれば当時の本屋は、サロン的というか、今日のネットサーフィン的なものだったように思える。用はなくてもなんとなく本をブラウジングしていればそれなりに間が持つし、大抵興味のありそうなものが見つかる。文庫本など当時は500円もしなかったはずだ。ケータイもないので、友人との待ち合わせにも時間が潰せる本屋を使ったものである。 出版文化産業振興財団(JPIC)による調査
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