国の天然記念物で、現在人工繁殖に取り組んでいるトキを無許可で捕獲、繁殖させていたとして新潟県警は16日、種の保存法違反の疑いで燕市内に住む31歳の男を逮捕した。男は「繁殖させすぎてこれ以上飼えなくなった」と容疑を認めているという。 調べによると、男は日本産最後のトキである「キン」が死亡した03年、佐渡市の希少鳥類繁殖センターに侵入。中国から譲り受けたトキが産んだ卵2つを人工孵化器から盗み出し、その後自宅で孵化を成功させていた。孵化した2羽がそれぞれオスとメスであったため、男はこの2羽を交配させ、さらに幼鳥を増やすと、08年からセンターが放鳥を始めたのに合わせ、自身が飼育していた個体とすり替えるなどして、近親交配にならないよう工夫していたという。 しかし昨年9月、男が環境省に「トキが増えすぎてこれ以上育てられなくなったので引き取ってほしい」と相談を寄せたことから、違法繁殖が発覚。連絡を受けた