東京の地下が好きだ。 いや、正しくは大都市の地下が好きだ。 大都市、と汎用性の高いワードチョイスをしたが、僕は東京以外の大都市をよく知らないので、やっぱり東京の地下が好きだ、と言った方が正確だろう。もしくは東京都の地下。 しかし東京の地下から感じるのは、「大都市」という3文字の並び。 太陽の光が届かないコンクリートの大空間が持つには、「東京」の2文字は生命のにおいが強すて、結びつかないように思える。 東 京 押し込められた性欲がオーラのように滲み出る地方出身の大学生、ワーキングプアに嘆くサラリーマン、和装をまとって山手線に乗る高齢女性…… 色々な属性の人間、そして彼ら彼女らの想い、日々のアクティビティ、歴史を内包するのが「東京」の文字列であり、人間の営みなど露ほども知らぬ巨大な地下建築とは親和性がそれほど無い。きっと東京の地下を構築するコンクリートに、「東京」の2文字を塗りつけても、テフロ
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