防衛省は23日、海上自衛隊の輸送機を刷新する方針を固めた。中国海軍の太平洋進出が活発化する中、東シナ海の離島侵攻などの脅威に対処するためには、航続距離が長く搭載量も多い輸送機の導入が不可欠と判断した。東日本大震災での対応を教訓に民間機の転用から方針転換し、欧米の軍用輸送機から機種を選び、平成24年度予算案概算要求に関連経費を盛り込む。 海自は現在、輸送機として戦後初の国産旅客機「YS11」を3機保有し、厚木基地(神奈川県)を拠点に人員・物資を各基地に運んでいる。ただ、YS11は昭和41年の導入で老朽化している上、搭載量は約3トンで、大量の武器輸送には適していない。航続距離も短く、厚木から約2千キロ離れた南鳥島(東京都小笠原村)の航空派遣隊に物資を運ぶには硫黄島(同)で給油する必要もある。 新輸送機は数十トンの物資を積める機種を選定し、25年から4機以上を導入する。当初はYS11と同様に