とんかつ好きの間にその名をとどろかす、「とんかつ とんき 目黒本店」。開店時間の16時前から、店の前には客がずらりと列をなします。 このお店は職人さんの完全分業制と、今では珍しい10年の下積み修行の伝統を守り続けているということでも有名なんです。 大きなのれんをくぐって店内に入ると、目に飛び込んでくるのは、まぶしいほどに磨かれた白木のカウンター。その内側にはかなりの広さを持つ厨房があり、8人の職人が入れ替わり立ち替わりしながら、テキパキと動き回っています。 目が合った職人がニコリとして注文を聞いてくれたので、ロースカツ定食を頼んで席につきました。目の前の厨房はまるでステージで、客席は観客席のよう。 厨房の左側に立つ職人は、分厚い肉に小麦粉と卵を三度漬けし、ラードで満たされた5つの釜へ次々と投入していきます。160度の油でじっくり揚げること約20分。「頃合い」を測るのはタイマーではなく、音や
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