世界的に有名な精神分析医、ジークムント・フロイトは、人間の深層心理を研究していたにもかかわらず、生涯、ある癖を絶つことができなかった。喫煙である。ヘビースモーカーであるフロイトは喫煙による白板症で30回以上にもの手術を受けており、最終的には口腔がんで生涯を終えている。 フロイト同様、日本はたばこの話となると、ヘビースモーカーと同じく不合理な行動をとる。政府自体がまるでニコチン依存症であるかのように。最近、議論になっている健康増進法の改正案、すなわち、飲食店など屋内施設の禁煙に対しては、多くの国会議員が反対しており、あたかも中絶や死刑といった繊細な問題が議論されているかのようだ。 禁煙が「憲法違反」に当たる可能性があると主張する国会議員も複数いた。国民の権利をよほど侵すおそれがある共謀罪や特定秘密保護法をめぐる議論では、こんなことを言う議員はいなかった。 日本は欧州より「喫煙天国」だ 科学に