27%減と18%減世界的な金融危機の嵐は日本の新車市場にも及んできた。では、11月の国内新車販売の前年同月比減少率は27%と18%のどちらでしょう? 正解は後者の18%である。ところが販売速報が発表された1日夕刻のテレビニュースや2日の朝刊では、いずれも「27%減」が大々的に報じられた。 27%は登録車の減少率。新聞報道では「(軽自動車を除く)」の但し書きがあるものの、一部の数字だけで記事をつくりあげるマスメディアの悪しきセンセーショナリズムを露呈した。軽自動車が新車市場の1割とか2割しか占めなかった時代なら登録車の販売動向で、全体の傾向を把握することはできる。だが、最早そういう時代ではない。 ◆4割を突破した軽販売比率 読者や視聴者にクルマの消費動向の一部分だけ取り出して「記録的な落ち込み」とやる。新車需要の全体像が伝わらないだけでなく、情報の受け取り側の消費心理を冷え込ます。恐らく現場