今や生活に欠かせないスマートフォン。写真を撮る道具としてもすっかり定着した。カメラを持ち歩かない人でも、スマホは毎日持ち歩く。そして常にネットにつながっている。SNSやブログにはスマホで撮影された膨大な写真が毎日アップロードされ、閲覧される。撮影手段の主流がスマホに移り行く時代にあって、コンパクトカメラはどうあるべきか。そんな問いに対する答えの1つがキヤノンの「PowerShot N」だ。 片手に載るほどの小さなカメラだが、正面から見ると左右対称で、従来のカメラのように右手で目の前に構えてシャッターを押そうとしても、右手でグリップする余地が少ない。それどころか、通常なら右人差し指がかかる位置にあるはずのシャッターボタンがない。こうしたデザインに込められた意図は何か。