3月にマイナス金利政策を解除した日本銀行が早期に追加利上げに踏み切るとの観測が広がる中、10年国債利回りは5月30日に一時1.1%と約13年ぶりの高水準まで上昇。一方、日経平均株価は34年ぶりに史上最高値を更新し、初めて4万円の大台に乗せたことで株価収益率(PER)などバリュエーションも上昇したことで、複数の資産を組み合わせるクロスアセット投資家にとっては選択肢が増えた。 三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、日本の債券利回りと株式配当利回りのスプレッドが狭まっており、「積極的に株式のインデックスを買えるかどうか、少し考えなければならない」と話す。 瀬良氏は、株価が急落するとは思っていないが、金利上昇は株式にとって上値の圧迫要因となるため、「もみ合いで推移する可能性の方が高い」と予想。日経平均は年末までに3万8000円-4万円の間で取引されるとみている。同レンジは3月に付