◆他の職業との比較が重要 以前、システム設計は専門職であるからには求められる適性があると指摘したが、そこらへんをもう少し具体的にしておきたい。 およそどんな職業向けであっても適性の議論になると、実務者にさえ「そんなスーパーマンってこの業界にいたっけなあ」と皮肉りたくなるような安直な理想像が描かれやすい。とくに論者が職業人として自信に満ち溢れている場合に、そのような議論になるのかもしれない。反対に、自分の職業生活にやけっぱちになっている論者だと「打たれづよさ」だの「何よりも体力」みたいな、わかりやすいが乱暴な議論になりそうだ。 重要なのは「他の職業と比べた場合に、とくにどんな素質が求められるか」、さらにその職業において「劣悪であることが致命的でない素質は何か」を示すことである。たとえば、しばしば耳にする「システム開発者にとってはコミュニケーション能力が重要である」という主張は却下される。なぜ