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ブックマーク / synodos.jp (21)

  • 財政ファイナンス――不思議な「現代財政理論」/中里透 - SYNODOS

    の財政をめぐる議論には時としてユニークな見解が登場する。「増税をすると将来不安が消えて消費が増える」がその代表例であるが(この点については後半で詳述)、「財政ファイナンス」をめぐる議論もそれと並んで興味深いものだ。安倍元総理の「日銀は政府の子会社」という発言をうけて、このところまた財政ファイナンスという言葉をよく見かけるようになったが、その意味するところは必ずしも明らかではない。 そこで、以下では財政ファイナンスというキーワードをもとに、政府と中央銀行の関係や財政政策・金融政策の運営のあり方について考えてみたい。 1.「財政ファイナンス」と中央銀行の「独立性」 データを確認することの重要性 経済政策をめぐる議論については、それぞれの人の政治的・社会的な立場によって意見が分かれることが少なくない。財政ファイナンスをめぐる議論も2013年以降に採られてきた経済政策の枠組み、すなわちアベノミ

    財政ファイナンス――不思議な「現代財政理論」/中里透 - SYNODOS
    nizimeta
    nizimeta 2022/06/18
    “「安倍内閣は放漫財政」というのは単なる思い込みに過ぎず、実際には安倍内閣の期間中に財政支出の抑制と財政収支の大幅な改善が生じていたということだ”
  • なぜ市民による抵抗運動はエスカレートしたのか――クーデター後のミャンマーを分析する/岡野英之 - SYNODOS

    なぜ市民による抵抗運動はエスカレートしたのか――クーデター後のミャンマーを分析する 岡野英之 フィールドワークに基く政治研究・武力紛争研究 国際 国境近くの村で爆発事故が起こった。爆弾を製造している過程で起こった事故だった。今回の犠牲者は少なく、2名だけで済んだ。数か月前の事故では8名が死んだ。遺体は密かに埋めた。政府に発覚するのを恐れたからである。今回は、死者2名の他に、大怪我をした者が2名いた。村のクリニックでは手の施しようがないという。彼らには生きていてほしい。村人たちは、やむなく大都市の病院に運んだ。大都市の病院に運べば爆弾を作っていたのが軍事政権側にばれてしまうかもしれない。村人は、それでもやむを得ないと彼らを連れていくことにした。こうして、この村で爆弾を製造していることが発覚した。 この話は、ある人から教えてもらった噂である。私は、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってからは

    なぜ市民による抵抗運動はエスカレートしたのか――クーデター後のミャンマーを分析する/岡野英之 - SYNODOS
  • ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味/横田正顕 - SYNODOS

    ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味 横田正顕 ポルトガル近現代政治史、南欧比較政治 国際 #ポルトガル ユーロ危機(欧州債務危機や欧州危機などとも呼ばれる)からすでに8年が経過しようとしている。そうしたなか、かつて粉飾財政問題によって危機の発端を作ったギリシアでは、急進左派連合のツィプラス政権が続行する緊縮政策に抗議し、今年5月29日に同政権下8度目のゼネストが決行された。6月1日にはスペインで人民党のラホイ政権に対する憲政史上初の不信任決議が成立し、イタリアでは3月の総選挙以来の混乱の末に、「五つ星運動」と「同盟」に支持されるコンテ政権が発足した。 2010年代前半の最悪の財政・経済状態を脱したとはいえ、その後遺症に悩まされる“PIGS”では、このようにヨーロッパの新たな危機の火種がくすぶり続けている。ユーロ危機当時、その頭文字から“PI

    ポルトガルは「反緊縮」路線に転じたのか?――2015年総選挙と社会党少数派政権の意味/横田正顕 - SYNODOS
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    nizimeta 2020/01/04
  • 「趣味の歴史修正主義」を憂う/大木毅 - SYNODOS

    拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)を上梓してから、およそ3 か月になる。幸い、ドイツ史やロシア・ソ連史の専門家、また一般の読書人からも、独ソ戦について知ろうとするとき、まずひもとくべき書であるという過分の評価をいただき、非常に嬉しく思っている。それこそ、まさに『独ソ戦』執筆の目的とし、努力したところであるからだ。 残念ながら、日では、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の展開について、30 年、場合によっては半世紀近く前の認識がまかり通ってきた。日のアカデミズムが軍事や戦史を扱わず、学問的なアプローチによる研究が進まなかったこと、また、この間の翻訳出版をめぐる状況の悪化から、外国のしかるべき文献の刊行が困難となったことなどが、こうしたタイムラグにつながったと考えられる。もし拙著が、そのような現状に一石を投じることができたのなら、喜ばしいかぎりである。 しかし、上のような事情から、日

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  • 分析美学ってどういう学問なんですか――日本の若手美学者からの現状報告/森功次 - SYNODOS

    シノドス編集部から「分析美学について記事を書いて下さい」と依頼を受けたとき、困ったな、というのが正直な感想だった。ある学問について、よくわからないので知りたいと思うことはある。とりわけ新興の、目新しい学術分野が出てきたときはそうだ。神経倫理学とは? 人口経済学って何? 今回の「分析美学ってどういう学問?」という質問もおそらくこの種の質問だろう。 たしかに近頃、「分析美学」という学問分野は、新しく、盛り上がっている学術分野だという印象を与えているようだ。日では2013年に『分析美学入門』(勁草書房)、2015年には『分析美学基論文集』(勁草書房)といった翻訳が刊行され、2015年秋の分析美学をテーマにしたブックフェア(紀伊国屋書店新宿南口店開催)は記録的な売り上げを残した(注1)。だが困ったことに、分析美学というのは、新しく現れてきた学問でも、最近盛り上がっている学問でもないのだ。 この

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    nizimeta 2016/02/13
  • 誰が保育していくのか?――フランスの現金給付と保育ママから考える/千田航 - SYNODOS

    多彩な子育て支援 フランスは様々な子育て支援が展開されていることで有名な国である。日でも、安倍政権の新・三の矢の一に「夢をつむぐ子育て支援」が組み込まれ、今年度から子ども・子育て支援新制度が始まっている。今後の働きながら子どもを育てられる社会の実現に向けて、多彩な子育て支援の先輩であるフランスから学べることは少なからずあるだろう。 はじめにフランスで実施されている現金給付と保育サービスについて確認しておこう。日の現金給付は児童手当と児童扶養手当が該当し、育児休業給付金を含めたとしても3種類しかない。対してフランスでは、様々な現金給付がおこなれている。 たとえば、第2子以降にすべての子どものいる家族に支給される「家族手当」や、第3子以降に家族手当よりも増額される「家族補足手当」、他国の育児休業給付にあたる「子ども教育共有給付」、保育ママやベビーシッターを雇用した親に対して支給される「

    誰が保育していくのか?――フランスの現金給付と保育ママから考える/千田航 - SYNODOS
  • 『21世紀の不平等』――グローバル化のせいで何もできないか?/アンソニー・アトキンソン - SYNODOS

    昨年話題になった『21世紀の資』の著者ピケティの師匠にあたり、「不平等研究の父」とも言われるアトキンソン。「ピケティ旋風」から1年経った今、ピケティが問題提起した格差拡大の研究を継承・発展させたのが『21世紀の不平等』である。ピケティいわく、「平等な社会に向けた現実的ビジョン」とされる書から、「グローバル化のせいで何もできないか?」の一部を転載する。 書で私はOECD諸国での不平等を減らすための提案をしている。すぐに思いつく反応は、「そいつは結構だが、いまいる世界ではそういう道筋を追い求めるわけにはいかないんだよ」というものだ。つまり、過去にはそういう野心もあったかもしれないが、今日では所得をもっと公平に分配するなどというのは、グローバル化した経済のなかで実現不可能な贅沢品となっているというわけだ。 どんな国でも、不平等低下を目指そうとすれば世界市場のなかでの競争力を失ってしまう。国

    『21世紀の不平等』――グローバル化のせいで何もできないか?/アンソニー・アトキンソン - SYNODOS
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    nizimeta 2015/12/16
  • 多元性のある民主主義を取り戻せ――自民党派閥の系譜をたどる/中北浩爾×荻上チキ - SYNODOS

    かつての自民党はハト派からタカ派まで、各派閥が競いあう多元性を持った政党であった。しかし派閥政治は衰退し、現在は安倍総理のもと一元的に右傾化しているように見られる。その変化を招いた原因とは。そして今、自民党はどのような位置にあるのか。これまでの思想的な系譜をたどり、一橋大学大学院教授・中北浩爾氏が解説する。TBSラジオ「荻上チキSession22」2015年09月29日(火)「自民党」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ Session-22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番

    多元性のある民主主義を取り戻せ――自民党派閥の系譜をたどる/中北浩爾×荻上チキ - SYNODOS
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    nizimeta 2015/11/21
  • 保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS

    文部科学省が実施した保護者調査のインパクト 専門家会議による議論を受けて、2013年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、毎年実施される体調査とあわせて、多様な観点から学力に影響を与える要因を分析する「きめ細かい調査」が実施された。 この調査は、(1)経年変化分析調査、(2)保護者に対する調査、(3)教育委員会に対する調査から構成されている。なかでも人びとの注目を集めたのは保護者を対象にした質問紙調査で、そこで得られたデータを用いた調査報告書が2014年・2015年に公開されている(リンク先は容量の大きいPDFなのでご注意ください)。 なぜこの調査結果が着目されたのか。やや遠回りになるが、その背景を整理してみよう。 90年代後半にいわゆる「学力低下」論が社会問題化し、2000年代以降には日でも保護者の社会経済的地位(SocioEconomic Status:SES)を把握し

    保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS
  • 世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い/小山エミ - SYNODOS

    米国をはじめとする海外の日研究者ら187名が、連名で「日歴史家を支持する声明」を発表した。 内容よりもまず注目すべきは、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』のエズラ・ヴォーゲル氏、『敗北を抱きしめて』のジョン・ダワー氏、『歴史としての戦後日』のアンドリュー・ゴードン氏、『歴史で考える』のキャロル・グラック氏、『国民の天皇』のケネス・ルオフ氏、『天皇の逝く国で』のノーマ・フィールド氏ら、学問的にトップクラスであるばかりか米国のアジア政策にまで影響を与えるような名を知られた大物が、ほぼ全員名を連ねていること。わたし自身も署名したが、あとになってリストを見ると、わたしなんかが入って当にすみません、と謝りたくなる気分だ。権威主義的だと言われるかも知れないが、これだけ有名人が揃うと壮観。そして、この声明が発表されたことが、尋常ならぬ事態だということが分かる。 声明は、安倍首相が日の総理として

    世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い/小山エミ - SYNODOS
    nizimeta
    nizimeta 2015/05/10
    “しかしかれらが興味を持ってその資料を読んだところ、送り手の解説はことごとく一部だけを引用して都合よく解釈したものであり、全体を読めば日本軍の犯罪がよりいっそう根拠づけられる内容だった”
  • 財務省に異議あり! 生活保護削減案に反論する/大西連 - SYNODOS

    10月27日、財政制度等審議会財政制度分科会の資料が公開された。財政制度等審議会は、国の各施策の削減等の論点や案が提示される財務大臣の諮問機関である。この財政制度等審議会での案は、財務省からの提案ということもあり、今後の国の施策の方針に与える影響も決して小さくない。 今日は、ここで提示された資料の中から、生活保護についていくつか論点を取り上げ、財務省の削減案に関して反論をおこないたい。 生活保護にかかわる論点については、以下のような資料が提示された。 社会保障②(年金、生活保護、障害福祉) https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia261027/01.pdf すでに、生活保護等の生活困窮者支援としては、 ・生活

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  • 永住外国人生活保護訴訟最高裁判決を読む――あらわになった日本社会の姿/山口元一 - SYNODOS

    在留資格「永住者」を有する外国人が、生活保護法に基づく生活保護の申請をしたところ、大分市福祉事務所長から申請を却下する旨の処分を受けたとして、却下処分の取消し等を求めた事件について、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、2014年7月18日、これを認めた福岡高等裁判所の判決(福岡高判平成23年11月15日判タ1377号104頁)を破棄し、外国人は生活保護法に基づく生活保護の受給権を有しないとの判断を示した。 最高裁判決は、背景も含めて検討すると、生活保護法、行政事件訴訟法の解釈にとどまらず、日における外国人の権利を考えるうえで重要な示唆を与えるものであるが、判決に至る経緯に関する正確な知識と一定の法的なリテラシーがないとやや理解に難しい面がある。筆者は、稿を書くにあたり、インターネット上の判決に対する反応を少しながめてみたが、生活保護受給者、外国人に対する根強い偏見も手伝ってのことか、

    永住外国人生活保護訴訟最高裁判決を読む――あらわになった日本社会の姿/山口元一 - SYNODOS
    nizimeta
    nizimeta 2014/07/29
    “条約批准等を通じ外に向かって…国内の事情に通じない層に対しては日本国民と外国人の平等原則を掲げながら外国人が享受すべき生活上の利益を「権利」として構成することを拒みあくまでも恩恵にとどめようとする”
  • カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来/髙岡豊 - SYNODOS

    カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来 髙岡豊 現代シリア政治 / イスラーム過激派モニター 国際 #イスラーム国#カリフ制 2014年6月、「イラクとシャームのイスラーム国」[*1]の攻勢を前にイラク軍が脆くも敗走、イラク中部の諸都市や、西部のシリアやヨルダンとの国境通過地点が「イスラーム国」などの武装勢力の手に落ちた。 これを受け、「イスラーム国」やイラクの政情がにわかに注目を集めた。しかし、このようなできごとは、「イスラーム国」が突如イラクに現れたことや、イラクの政界で突如「宗派対立」が嵩じたことを意味しない。「イスラーム国」は少なくとも10年前にはイラクで活動していたし、イラクの政界も諸政治勢力の個利個略に基づく政争に明け暮れるようになってから久しかった。 むしろ、「イスラーム国」による攻勢が「大戦果」を収めたのは、イラクの政治過程の破綻と9.1

    カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来/髙岡豊 - SYNODOS
  • 的外れな無年金・低年金対策――貧困を防止するのか、保険原理を固持するのか/田宮遊子 - SYNODOS

    最近の年金制度改革のなかで、新たな2つの低年金・無年金対策(2015年9月末までの期間限定の保険料後納期間を10年に延長する措置、年金を受給するための加入期間を25年から10年に短縮)がつくられた。 しかし受給期間の短縮措置によって必要となる新たな支出は、消費税増税分を財源とすることになっている。つまり2015年10月に消費税が10%に引き上げられなければ、短縮措置は取られることがない。そのため無年金者は、無年金を脱するために、消費税が10%に引き上げられることに運命を賭けて、2015年9月末まで保険料を後納することができるものの、もし同年10月に消費税増税が実現しなければ、後納した保険料はまったくの無駄になるというリスクを負わなければならない。こうした問題点については、すでに前稿でより詳細に述べた[*1]。 [*1] 年金制度改革から生まれた低年金・無年金者の「ばくち」 このようなとんで

    的外れな無年金・低年金対策――貧困を防止するのか、保険原理を固持するのか/田宮遊子 - SYNODOS
  • 女性の就労を阻害する「壁」をどのように崩すか――配偶者控除廃止の検証 / 筒井淳也 / 計量社会学 | SYNODOS -シノドス-

    配偶者控除制度を巡っては、2012年度の衆院選において民主党がマニフェストにその廃止を明記していた。配偶者控除を廃止することで得られる追加的財源を児童手当に回すという、従来の民主党の政策にかなったものであった。 一方、戦後一貫して「夫が稼いでがそれを支える」という「男性稼ぎ手モデル」を尊重してきた自民党は、2013年の参院選においても配偶者控除の維持をマニフェストに掲げており、その路線はある程度継続する可能性もあった。 しかしこの流れは変わり始める。内閣府のもとに設置されていた「経済社会構造に関する有識者会議」は、2013年の6月に第10回の会議を開催し、そこでは「成長のための人的資源活用検討専門チーム」が同年4月にまとめた報告書が資料として提出された。そのなかには、経済成長を牽引するためには人的資源の形成が必要であり、そのためには「配偶者控除などによって、就業が不利にならないようにする

    女性の就労を阻害する「壁」をどのように崩すか――配偶者控除廃止の検証 / 筒井淳也 / 計量社会学 | SYNODOS -シノドス-
  • アメリカはなぜイラクの民主化に失敗したのか/山尾大 - SYNODOS

    アメリカがイラクの民主化に失敗したのはなぜか。まさにアメリカがシリアに軍事攻撃を仕掛けようとしている現在(※編集部註:記事は9月13日に脱稿されました)、この問いかけは非常にアクチュアルで、示唆に富んだ問題にみえる。 だが、もう少し大局的に考えてみると、この問いは非常に奇妙でもある。武力をともなった外部からの侵攻によって、民主化が実現すると想定するほうが、理にかなっていないからである。 そもそも、世界史的視点でみると、民主主義は珍しい政治体制である。手元にある話題の新刊を紐解いてみると、その理由が良くわかる。曰く、包括的な政治制度(自由で民主的な政治)と、包括的な経済制度(開放的で自由な市場経済)が組み合わさったとき、持続的な経済発展が可能となるが、こうした好条件は様々な偶然が重なり合ってはじめて可能となる。通常は、その反対の収奪的な政治制度(権威主義体制など)と収奪的な経済制度の組み

    アメリカはなぜイラクの民主化に失敗したのか/山尾大 - SYNODOS
  • いつ、どのように財政再建を行うか――消費税増税を考える / 江口允崇 / 財政学 | SYNODOS -シノドス- | ページ 3

    7月30日に総務省の発表した今年6月の完全失業率(季節調整値)は3.9%とリーマンショック前の水準にまで改善し、厚生労働省が発表した有効求人倍率(仕事を求めている人間1人に対し企業から何人の求人があるか)も0.02ポイント上昇の0.92倍と4カ月連続で上昇した。 また、7月11日の日銀行の金融政策決定会合でも、景気の現状判断を「緩やかに回復しつつある」と上方修正し、黒田東彦総裁は「わが国の景気が緩やかに回復しつつあることは、さまざまな経済指標から素直に引き出せる結論だろう」と語っている。 安倍晋三政権が推進する経済政策、通称「アベノミクス」は、これまでは株価や為替レートのみに効果があらわれて庶民には実感がないとの批判もあったが、徐々に実体経済にまでその影響が波及してきた様子だ。 もちろん、海外の要因などもあるので、当にアベノミクス効果であるのかはデータが出揃った上できちんと検証する必要

    いつ、どのように財政再建を行うか――消費税増税を考える / 江口允崇 / 財政学 | SYNODOS -シノドス- | ページ 3
    nizimeta
    nizimeta 2013/08/26
    “一度上げた消費税は二度と戻らないというのが常識のようだが、消費税を金利と同じように柔軟に動かすことで政策手段はむしろ増えることになる”
  • 投票前に確認したい「生活保護」をめぐる議論と争点/大西連 - SYNODOS

    7月21日、参議員選挙の投開票日をむかえる。選挙におけるおもな論点は、報道等を見るかぎりでは、やはり経済政策、アベノミクスに関するものが多いように思う。わたしもシノドスに何度か寄稿させていただいているが、現在、自公政権によって、社会保障分野での劇的な制度改革と、そのための議論が加速度的に進められている。 社会保障制度は、その国に住むわたしたち一人ひとりの市民の生活や、健康の維持のために不可欠なもので、来最も重要な争点であるべきものだ。ここでは、社会保障のベースであり、最後の砦といわれる「生活保護」を中心とした「生活困窮者支援」に着目して、これまでの議論や経緯を紹介し、各党の動向や、選挙後に予測される動きなどについても解説したい。 一票では社会は変わらないと思う方が多いかもしれない。しかし一方で、わたしたちの一票が今後の社会のあり方の方向性を決定していくことは事実だ。有権者の良識ある選択の

    投票前に確認したい「生活保護」をめぐる議論と争点/大西連 - SYNODOS
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    nizimeta 2013/07/16
    “8月から生活保護基準は削減されることが決定し、今後3年間で約6.5%、世帯によっては約1割近くの生活費が削減される”
  • 「生活保護法の一部改正案」を考える/岩田正美 - SYNODOS

    はじめに 「一部改正案」の内容 第183通常国会に提出される予定の「生活保護法に一部を改正する法律案」については、すでに各メディアによって報道されているが、これは同じく提出される「生活困窮者自立支援法案」とのセットで、前者が引き締め策、後者は支援策という解釈がなされ、特に前者についての批判がなされているようである。 とはいえ、多くのマスメディアは、この間生活保護バッシングにそうとう荷担して来たので、ここで手のひらを返すように生活保護擁護を強めるのも、筆者には何となく釈然としないところもある。それはともあれ、ここでは少し冷静に、今回の改正案の内容をかいつまんで述べた上で、その背景を探り、いくつかの論点を整理してみたい。 まず、今回の一部改正がどのようなものなのかを簡単に見ておこう。改正点は主に5つである。 1)就労の自立を促すため、就労自立給付金を創設する。 2)被保護者就労自立支援事業の創

    「生活保護法の一部改正案」を考える/岩田正美 - SYNODOS
  • 終わりの始まりか、始まりの終わりか ―― アベノミクスの今後/矢野浩一 - SYNODOS

    終わりの始まりか、始まりの終わりか ―― アベノミクスの今後 矢野浩一 ベイズ計量経済学 / 動学的確率的一般均衡理論 経済 #金融政策#アベノミクス#リフレ#ニューディール#期待実質金利 2013年5月23日に日株式市場は激震に見舞われ、日経平均株価指数が(前日終値ベースで)約1100円以上も下落した。これはアベノミクス「終わりの始まり」を意味するのだろうか? まず稿ではアメリカで実行されたニューディールを振り返り、今回の急落はアベノミクスの「始まりの終わり」を意味するに過ぎないことを確認する。さらにリフレーション政策による雇用回復と賃金上昇を伴う景気回復が今後実現していくこと、また回復を妨げないため消費増税の延期を考慮すべきことを論じる。 5月23日木曜日、午後のゼミが終わり研究室に戻ろうとしたとき(2時半過ぎ)筆者をゼミ生が呼び止めた。 「矢野先生、日経平均がものすごく下がってい

    終わりの始まりか、始まりの終わりか ―― アベノミクスの今後/矢野浩一 - SYNODOS