花王 ファブリック&ホームケア研究センター・ハウスホールド研究所は、柔軟剤がどのようなメカニズムで洗たく・乾燥後の木綿の衣類やタオルをやわらかくするかの研究を行い、動けなくなった水分子(結合水)による単繊維間の接着が関与していることを解明した。同成果は、第63回コロイドおよび界面科学討論会および第43回洗浄に関するシンポジウムで発表された。 衣料用柔軟剤が効果を発現するメカニズムは、一般的に「繊維間の摩擦の低減が原因である」と言われてきたが、詳細は良くわかっていなかった。 今回、研究チームは、洗たく・乾燥後にタオルや木綿の衣類が硬くなる現象と、柔軟剤でその硬さが解消されることに着目し、研究を行った。木綿布は木綿糸からつくられ、木綿糸は多数の微細な単繊維をよって作られているが、この単繊維の状態を直接観察することは難しいことから、今回は、木綿糸やポリエステル糸の曲げ試験から得られる硬さのデータ