あるデータベース(DB)でインデックスの容量が上限値を超えた――。みずほ銀行で2021年2月28日に発生したシステム障害では、運用上のささいなミスが巨大なトラブルに発展した。ATMが通帳やキャッシュカードを5244件も取り込み、多くの顧客が数時間も立ち往生した。みずほ銀行に何が起きたのか。障害拡大の真因を分析する。 本特集の第1回で紹介したように、みずほ銀行が2021年2~3月に起こした4件のシステム障害は、システムの設定に関する見落としやプログラムのバグ、ハードの故障といった避けがたいよくあるトラブルが起点だった。しかし金融機関ではあり得ないような問題点が35件もあったため、顧客に大きな影響を与えた。 そうした問題点はなぜ発生したのか。本誌はみずほフィナンシャルグループ(FG)が設置した「システム障害特別調査委員会(第三者委員会)」の報告書を基に、疑問点を12個抽出した。その中から今回は