タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (4)

  • 『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本

    使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには名があるから、妙に飾らないで、名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形

    『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本
  • 本好きが選んだ新潮文庫の160冊

    好きなを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回のテーマは「新潮文庫」。ジャンル不問・冊数未定でありながら、やってみるとむつかしい。 なぜと問うなら、自分の書棚と脳裏を浚ってみるといい。文芸、海外歴史、冒険、SF、純文、対談、ミステリー、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ、記憶から積山から、懐かしの一冊から流行りの新刊まで、いくらでも出てくるから。ありすぎて選べないのだ。 それでもムリヤリ選んだのが、「この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)」。これは「新潮文庫」+「寝忘れる徹夜」という組み合わせで厳選したもの。そして、人力検索はてなで質問したのが、「『この新潮文庫がスゴい!』という、あなたのオススメを教えてください」になる。わたしの偏見「理系のはてな」を跳ね返す文理入り乱れの怒涛のラインナップが揃った。 そして、実際にみんなで語り合ったのがスゴオフ。新潮文庫の良さ(

    本好きが選んだ新潮文庫の160冊
  • ハードウェア・チップによるサイバー攻撃と、「ホワイト・ハウスの暗殺者」

    サイバー攻撃の常套手段といえば、マルウェア(悪意あるソフトウェア)を用いるものと思っていた。攻撃コードと防衛コードのせめぎあい、プログラマ vs プログラマの闘いのようなものを思い描いていたが、違っているようだ。 「フォーリンアフェアーズ」2月号の、NATOの元軍事司令官によると、ハードウェア方面の防衛対策が遅れているらしい。誤動作を起こすよう欠陥を埋め込まれた集積回路が流通し、あるタイミングで「発火」する。もっとも、脅威と認識するからには上手く利用されているようだ。2007年9月のシリアへの核関連施設へのイスラエルの空爆が成功したのは、遠隔操作による監視レーダーを停止させる「キルスイッチ」が奏功したからだと報告されている。 こうしたハードウェア・チップを用いた攻撃には、ソフトウェアと違ってパッチをあてて修復することはできない。普段は何事もなく動作しており、いざとなればテロリストに化ける、

    ハードウェア・チップによるサイバー攻撃と、「ホワイト・ハウスの暗殺者」
  • 【劇薬指定】 隣の家の少女: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    「泣ける」「心温まる」なんて糞くらえ。「感動する」ために読むの薄いこと薄いこと。感動オナニーの需要をあてこんだ、感動をバーゲンセールする新刊を消費してる人には、凶器になる一冊。そういう連中は、たとえ興味位でも、読んではいけない。読み手の心を傷つけ、読んだことを後悔させる劇薬小説なのだから。 自分の肉体を強烈に自覚するてっとり早い方法は、そのナイフで裂いてみることだ。傷つき、血があふれ、痛みを感じたところからが「自分」だ。同様に、心がどこにあるか知りたいならば、「隣の家の少女」を読めばいい。痛みとともに強烈な感情――吐き気や罪悪感、あるいは汚されたという感覚だろうが、ひょっとすると、"気持ちよさ"かもしれぬ――を生じたところが、あなたの「心」だ。 小説のあらすじは単純だ。主人公は思春期の少年。その隣家に、美しい姉妹が引っ越してくるところから始まる。歳も近いことから、姉のほうに淡い恋心を抱

    nminoru
    nminoru 2010/02/10
    ケッチャム本の書評。これも映画化されたんだよなぁ。
  • 1