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ブックマーク / rosa41.hatenablog.com (13)

  • 宮成なみ著『奇跡のごはん』(東洋経済新報社)〜日々食べているものが、自分のいのちをどう支えてくれているのか、知っていますか?  - rosa41’s diary

    昨年来、取り組んでいた1冊が今週末、全国発売になりました。奇跡のごはんです。著者である宮成なみさんと一緒に笑い、べ、泣いたりと、多くの時間を共有しながら生まれました。 自分がべているものが、どのように自分の「いのち」を支えてくれているのか。普通に暮らしていると、それを実感する機会はそうありません。宮成さんはそれを身をもって理解している一人です。 彼女が16歳で告げられた病名は「結節性動脈周囲炎」。動脈の周囲が炎症をおこすとともに、その毛細血管の末端がつぶれていく難病です。医師からは、「社会で働くことも、結婚も諦めてください」と宣告されました。事制限のある約3ヶ月間の入院生活で、体重が約20キロも減り、全身の皮膚が乾き、干(ひ)からびて魚の鱗のようにひび割れ、所々に血がにじんで痛んだといいます。 それでも彼女は、退院後も事制限を続けながら、母親の工夫をこらした手料理を約7年半べ続け

    宮成なみ著『奇跡のごはん』(東洋経済新報社)〜日々食べているものが、自分のいのちをどう支えてくれているのか、知っていますか?  - rosa41’s diary
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    nobody 2007/08/27
  • 辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫)〜図式をはみ出すリアリティ - rosa41’s diary

    もう高齢の韓国人従軍慰安婦経験者をたずねた辺見さんは、元慰安婦たちが川で並んで、朝に昼に、そして夜に日兵たちが使ったコンドームを洗濯したと聞くと、そのときに月は出ていなかったかとたずねる。 「なかったです。いつも曇っていたですよ。一度に四十個も洗ったりしたですよ」 あんた、あれがね、サック(コンドーム)洗いね、忘れられないのよ。いまでもね、思い出がやってくるのよ。いつか日に行って、私死ぬところを、日人に見せつけてやりたくなるのよ・・・・・・。 すると、著者は自責の念にかられて、こうつづる。 私は金さんを半世紀前の記憶の古井戸に突き落としていた。 私は落ちずに、井戸の底から彼女の声を聞いている。引き上げる命綱も持ち合わせていないのに。 ここまで被害者と加害者の図式は少しも揺らがない。 だが、人間と人間が織り成す事実は、じつはもっとグラマラスで、そのステレオタイプをはみ出さずにはいられな

    辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫)〜図式をはみ出すリアリティ - rosa41’s diary
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    nobody 2007/08/11
  • NHK阿久悠さん追悼番組〜「地球の男にあきたところよ」の凄み - rosa41’s diary

    「壁際に寝返りうって 背中で聴いている やっぱり おまえは出ていくんだな」 沢田研二のヒット曲『勝手にしやがれ』の冒頭の歌詞だが、わずか2行で、その情景と2人の関係が理解できる。男女の別れを歌った曲で、これ以上に鮮やかな書き出しをぼくは知らない。番組を観ながら、いくつもの歌がすらすらと出てくる自分に驚きながら、嬉しくもあった。 「昭和」とは、良くも悪くも「大衆」というものがまだ残っていて、世代をこえて流行歌が共有できた最後の時代だった。だから70歳で他界された阿久悠さんは、ある意味で「昭和」の終わりをも体現されている。その是非は別にして、そんな流行歌を今の世の中は持てていない。 「生活が豊かになればなるほど、人々の不機嫌がどんどん増していったわけですね。ぼくはその不機嫌に、歌でショックを与えようと思ったわけです」 不機嫌。テレビインタヴューに答える阿久さんの、その言葉に意表をつかれた。希望

    NHK阿久悠さん追悼番組〜「地球の男にあきたところよ」の凄み - rosa41’s diary
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    nobody 2007/08/04
    <!-- private --> まあバーバレラらへんにヒントを得ているような気もしますが.
  • 「はてな」代表、近藤淳也さんの魅力〜「世の中」への情熱の強度  - rosa41’s diary

    はてな」というブログを選んだのは、代表である近藤さんへの興味と期待感からだ。 この人の「世の中にとっていいことを」という価値観は、ビジネスの匂いがとても薄い。もちろん、ビジネスである以上、そこは不可欠なんだけれど、彼の優先順位は圧倒的に「世の中」に向けられている気がしている。 「CNET」にアップされた近藤さんのインタヴューを、もし良かったら読んでみてください。 たとえば、最近できた「はてなスター」というサ―ビスがある。この日々の日誌のタイトル近くにある星印で、全部記事を読んだことを「はてな」ユーザーに限って残せる仕掛け。 最後まで読むってすごいことじゃないですか、人の書いた文章を。これだけ情報が溢れていて、文章なんていくらでもある中で、たまたまその人の日記を上から下まで全部読んだっていう事実だけでも当にその人に届けるべき出来事だと思ったんです。それが今は可視化されてなくて、そういうこ

    「はてな」代表、近藤淳也さんの魅力〜「世の中」への情熱の強度  - rosa41’s diary
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    nobody 2007/07/30
    なるほど. // あとここからは本題とは関係なくジョコンダの幽霊のひとの旦那さんが言ったとかいうことに反応しての愚痴なのだが→:そういうことなら自動でスターでいいよもう:←とかいう感じ。
  • 雨中の美術館めぐり(3)〜深澤直人ディレクション「チョコレート」(東京ミッドタウン内 21_21デザインサイト)  - rosa41’s diary

    モハメド・ウヘドラオゴ(17歳)という黒人の少年、彼の約2m大のカラー写真が目の前にある。 着古して汚れた半袖シャツとズボン姿。その両腕は、潰しかけのカカオの実を抱えていて、汚れている。作業中に撮影したものと思われる。キャプションには、「彼の父は3haの農園の所有者だが、彼の夢は運転手になること」の一文。そしてモハメド君の以下のコメントが添えられている。 「チョコレートは好きだけど、でもカカオ労働者には高すぎて買えないんだ」 彼の写真は、同デザインサイトの壁一面に展示されたカカオ労働者たちの一枚。カカオ豆の売値は1キロ1・5ドル。カカオ豆の世界最大産出国コートジボアール共和国に暮らす、モハメド君らの日給は1ドル。ぼくはしばらく動けずに彼と真正面で向き合うことになった。 こういう真っ直ぐで簡潔な表現は心にズドンとくる。しかもモハメド君らの仕事場は、同国の内戦で、国連とフランスの平和維持軍によ

    雨中の美術館めぐり(3)〜深澤直人ディレクション「チョコレート」(東京ミッドタウン内 21_21デザインサイト)  - rosa41’s diary
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    nobody 2007/07/18
  • 雨中の美術館めぐり(2)〜「水と生きる」展(サントリー美術館)  - rosa41’s diary

    東京ミッドタウン内に移転したサントリー美術館。その「水と生きる」展で、もっとも印象的だったのは着物の型紙デザイン。雨や川の流れを取り込んだ着物2つの隣に、数種類の小さな型紙が地味に展示されていたが、その視点はとても斬新だった。 たとえば、山々の間に波線を折り込んで違和感なく見せてしまう大胆さ、あるデザインを波型に縁取ることで水にたゆたう様を表現する意外性には唸らされた。その既成概念にとらわれない自由奔放さがカッコイイ。 もちろん、19世紀作の薩摩切子の美しさとモダンさ。歌川広重の有名な浮世絵「東海道五十三次シリーズ」のバランスある色使いと構図にも、心は動かされた。が、その着眼点の斬新さは、ぼくの中では型紙シリーズが一番!ちなみに同展は、「水」を要素として取り込んだ美術品などを絵画、容器(和歌などを添えて)、着物や布などに分けて展示してある。キューレターの眼力が問われる企画。 文章でああいう

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    nobody 2007/07/16
  • 今、倒錯ブーム - rosa41’s diary

    昔、折り紙で「だまし舟」というのがあった。逆T字型の小舟の帆先を持っているはずなのに、少し折り方を変えられると、舟の先か後ろを持っている状態にさせられてしまう。倒錯とはまさにあれで、さかさまになること。あるいは混乱すること。 政治家は、地元に公共事業を引っ張ってこれるぐらいの力を持とうと、選挙を勝ち抜き、その実績で献金を集める。金を集められることが、彼らの発言力の源泉。そして違法な集金が明るみに出そうになると、言い知れない恐怖感に襲われて、念願の大臣の地位だけでなく命さえあっけなく失う。偉くなることは死に近づくことだったりする。 他人事じゃない。 近頃は携帯電話も、在庫品を処理するために新製品を発売するという。新製品が出ると、既存製品が安くなって売れ、在庫が減らせるからだ。在庫を減らすための新製品開発に、残業を重ね、家族との時間もないがしろにして働く人たちは、どこに仕事のモチベ―ションを見

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    nobody 2007/05/30
  • 倉敷美観地区にて(2)  - rosa41’s diary

    あまりくわしくは書けないが、ある認知症のグル―プホームに行ってきた。認知症には若年性のものがあるが、大抵は65歳以降に発症し、痴呆症状が進み日常生活が送れなくなる病気だ。グル―プホームとは、9人以下の認知症の方々が、家庭のような雰囲気で暮らす施設のこと。 そこに初日はぼくが何度か話しかけても、まるで話してもらえない90歳前後の女性がいた。彼女は誰にともなく話したり、その言葉がときにメロディーになるような女性だった。そんな自分の世界をもっていた。そのくせ、そこの職員とは時折、唐突に会話が成立するのだ。 ただ、念のために書いておくが、認知症の人にはきちんと会話が成立する人もいるし、それが難しい人もいる。会話が難しい人でも、事という行為はできる人もいる。言葉は介在しないが、相手の動作に応じて口を開けないと事はできないのだから、それも「会話」の一種だ。誤解や偏見は慎んでもらいたい。 初日、ぼく

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    nobody 2007/04/12
  • 獰猛なる(1) - rosa41’s diary

    そうだ、獰猛なものがいる。くしくもそう思わせられる出来事が二つあった。 先週末、日橋・高島屋近くのフランス料理店 「メルヴェイユ」に出かけた。久しぶりに再会する友人のシェフが、ベルギーでの修行時代の友人がシェフの店だと誘ってくれたのだ。日曜の夜にも関わらず、30数席ほどの店内は満員だった。 シャンパングラスにニンジンのムースと、野菜やウニのジュレを重ねてトマトの酸味でつないだ前菜。一見、ハンバーグかと見まがう外観ながら、中身は穴子にパン粉をまぜて揚げてあり、コロッケみたいな感を楽しませてくれた一皿など、いくつも驚きがあって楽しい夜だった。 でも料理以上にぼくにとって印象的だったのが、その友人との次のようなやり取りだ。 「じつは今日、朝から何もべていないんですよ」 「えっ、夕べるために抜いてきたの?」 「ええ、それで少し早めにきて、ついでに高島屋で油絵の展覧会を観てました」 「ふ

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    nobody 2007/04/03
  • ■ - rosa41’s diary

    「人が生きていることには意味がある」の残酷さ(3) ぼくが中国に行ったのは87年の夏。海路でめざした上海の陸地はまだ見えないのに、海が一面茶色になったのには度肝をぬかれた。海が姿さえ見せない揚子江色に染められていた。「デカイ場所に行きたい」とやってきたぼくにとっては、まさに胸が高鳴る光景。 あの旅について書き出せばきりがない。 強烈だったのは、南京にある第二次大戦中の日軍による「虐殺記念館(資料館?)」。ぼくの記憶が確かなら、入口に当時の日の新聞記事が展示されていた。中国人捕虜を斬首した数を競う「勇猛な2人の日人軍人」みたいなひどい見出しの記事。それに隣接して展示されていたのは、日軍によって虐殺されたという中国の人たち骸骨の山のショーケース。 あのときの恐怖感ったらなかった。見回すと、周りは地元もしくは国内の中国人ばかりで、顔つきは似ていても明らかにアジア系の旅行者の自分。「ここで

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    nobody 2007/02/26
  • 橋口譲二トークショー(ABCセンター本店)〜矜持の強度のあまりの格差 - rosa41’s diary

    恥ずかしくてたまらなくなった、目頭が熱くなるほどだ。 これほどの羞恥心がぷるぷると震えるのは、いったい、いつ以来だろうか。歌手の矢野顕子さんへの取材時に、ある質問に対してズバッと切り返されて、自分のバカさ加減に堪らなくなったとき以来か。 橋口さんのトークショーは、既存の3冊の写真集を新装版で出されるのを記念したものだった。「人間を感じてほしい」というキャッチ・コピーに心惹かれた。今、橋口さんが、この世の中に、何を、どう考えていらっしゃるのかにふれたかった。 そしたら恥ずかしさに気が狂いそうになったのだから、やっぱり行ってよかった。 「ぼくはこの10年あまり、写真集を出していません。じつは3冊分ほど作れる素材はすでにあるんですが、今みたいな世の中では出したくなかったからなんです」 「さまざまな経緯をへて、3冊の写真集の新装版を出そうと決めたとき、そのポスターもインクジェットのデジタル・プリン

    橋口譲二トークショー(ABCセンター本店)〜矜持の強度のあまりの格差 - rosa41’s diary
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    nobody 2007/02/14
  • 朝日新聞に広告掲載 - rosa41’s diary

    日付け朝日新聞2面に『レンタルお姉さん』テレビ版腰巻付きの広告が掲載されました。まだ2刷り1万部もなかなかさばけずにいます(^^;)。いったい、去年から何回広告していただいたことか・・・。われながら費用対効果悪くて申し訳ないですが、これが最後の広告になるでしょう。 一方、アマゾンでは7万位台から一時1700位台まで拙著のランキングが上がりましたが、それに呼応してユーズド価格も600円から1000円まで急騰している点で、ごくごく小さな市場原理が体感できます。

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    nobody 2007/01/31
  •  「大きな嘘はいいが、小さな嘘はつくな」  - rosa41’s diary

    昨日、NHKドラマ「スロースタート」の脚家の浅野さんと、演出を担当されたNHKの勝田さんと再会した。まず、浅野さんは、今月号の月刊「ドラマ」の巻頭インタヴュー記事に登場されていることを知る(右上写真)。併せて「スロースタート」のシナリオが一挙掲載されている。それだけ高い評価を得たということで、素晴らしい。 インタビュー記事の中で印象に残ったのは、彼女が座右の銘にしているという富良野塾の倉聰さんの言葉。彼女は倉さんが主宰されている富良野塾出身だ。 「大きな嘘はいいが、小さな嘘はつくな」 フィクションとノンフィクションの違いはあるものの、「小さな嘘はつくな」はぼくの仕事にも通底する。細部のリアリティ―こそが文章の強度をつくり、奥行きを育てる。 一方の勝田さんも、局内の評価は上々らしい。ぼくが欠かさず観ている藤山直美「芋たこなんきん」の、次の連ドラの演出を担当される予定らしい。おお、これも

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