「森保さんって文系だよね」 試合中にノートを取り出し、ペンを走らせる。日本代表の森保一監督のおなじみの姿は、まるで受験生のようだ。 2014年12月。当時はサンフレッチェ広島を率いていた森保監督は『プロサッカー監督の仕事~非カリスマ型マネジメントの極意~』(以下、『プロサッカー監督の仕事』)というマネジメント本を世に送り出した(*森保監督の受け取るべき印税は、同年8月に発生した広島豪雨土砂災害の義援金として全額寄付)。そこには、その年の6~7月に開催されたブラジルW杯に関する、以下のような記述がある。 ◆◆◆ 大会期間中はJリーグが中断していたため、チームはオフがあったり、キャンプをしたりという状況でしたが、僕は4年に一度のサッカーの祭典をできるだけテレビで観戦するようにしていました。 正直、寝ぼけながらで印象に残っていない試合もあるし、録画だったり、サラッと観た程度だったりする試合もあり