<経済減速と人権弾圧で、中国の地盤沈下が大きく進んだ。過大評価されてきたこの男は、いかに権力闘争を勝ち抜き、何のために3期目続投を狙ったのか。誰が反対しているのか> 今年は習近平(シー・チンピン)にとって、10年前に中国の最高指導者の座に就いて以来最悪の1年と言っていい。しかも、タイミングも悪い。 習が10月16日開幕の第20回共産党大会で党総書記として、そして来春の全国人民代表大会(全人代)で国家主席として3期目の続投に向けて動いてきたことは明白だった。実際、2018年には既に憲法を改正して国家主席の任期制限を撤廃している。 今年がひどい1年になったのは、おおむね自分がまいた種だ。 厳しいゼロコロナ政策に基づくロックダウン(都市封鎖)が経済に大きなダメージを及ぼし、上海市の経済は第2四半期に13.7%のマイナス成長を記録した。ウクライナ戦争ではロシア寄りの姿勢を打ち出したが、軌道修正を余