窒化ガリウム(GaN)基板のコスト削減につながる研究開発が進んでいる。写真は、名古屋大学の天野浩氏らの研究グループが開発したレーザースライス技術の適用例(写真:名古屋大学) 従来品よりも電力損失を大幅に削減できる窒化ガリウム(GaN)製のパワー半導体素子が進化している。最大の課題であるコストを低減する成果が、国内の大学や企業などから次々と登場してきた。シリコン(Si)並みのコストになれば、自動車や再生可能エネルギー、産業機器などの分野で一気に広がり、日本企業がGaNパワー素子で主導権を握れる。 GaNパワー素子は大きく2つある。1つはSiウエハー(基板)を利用した「GaN on Si(ガン・オン・シリコン)」だ。電流が横(水平)方向に流れるため、「横型」と呼ばれる。米国のスタートアップ企業を中心に製品化されており、スマートフォンやノートPC向けに小型・高出力をうたう高性能な電源アダプターな