世界的な建築家、坂茂(ばんしげる)さん(66)が滋賀県彦根市の中古ホールを環境重視の図書館によみがえらせようとしている。同市が誇る国宝「彦根屏風(びょうぶ)」をイメージした外観で、最先端の木造技術などを導入。斬新な施設再生プロジェクトとして注目を集めそうだ。 坂さんは1990年代から国内外の被災地で、紙管を使った住居などを提供している。集成材を生かした仏「ポンピドー・センター」分館などで知られ、2014年には建築界のノーベル賞といわれる米プリツカー賞に輝いた。 彦根市は、国民スポーツ大会(25年)などに向け、JR南彦根駅西側にプロシードアリーナHIKONEを建設。その北側にあった市交流施設「ひこね燦(さん)ぱれす」(1991年開館)は2022年度に解体し、駐車場にする予定だった。しかし「建物はまだ十分使える」と批判の声が上がり、21年に就任した和田裕行市長は、図書館として再生する計画を打ち