2006年から2007年へ: 図書館システム市場の動向は? 米国のLibrary Journal誌の報じるところによると,図書館システム関連の市場は,2005年度には5億3,500万ドルであったが,2006年には5億7,000万ドルとなり,総じて順調な成長傾向にある。電子コンテンツを取り扱うためのウェブ・インターフェースやツール,RFID(Radio Frequency IDentification)関連の収益が拡大し,一方で,収集,整理,閲覧・貸出等の図書館の基本的な業務を管理する統合図書館システム(ILS)による収益は,現在も売上の大きな部分を占めているのは間違いないが,減少傾向にある。 ILSの売上の63%は旧来のレガシーシステムからの移行である。大規模な大学図書館・公共図書館の移行が段階的に縮小しているが,現状でスタンドアロンシステムが多く残る小規模公共図書館,学校図書館での移行が
FRARからFRADへ: 「典拠データの機能要件」意見公募中 国際図書館連盟(IFLA)は2007年4月11日,「典拠データの機能要件(Functional Requirements for Authority Data: FRAD):概念モデル」の草案を発表し,同時に7月15日までの約3か月間の意見募集を開始した。このFRADの目的は,典拠コントロールを支えるため,また典拠データの国際共有(図書館外部との共有も含む)を行うため,典拠データの要件の分析枠組みを作ることにある。 このFRADは,これまでは「典拠レコードの機能要件(FRAR)」と呼ばれていた(E363参照)。2005年7月に発表されたFRAR草案に対し行われた意見募集では,12個人・13機関から意見が寄せられたが,FRARの概念モデルの対象が典拠「データ」であるのか,それとも典拠「レコード」であるのか,相当の混同が見られたとい
グラフィックノベル事始め バットマン,スパイダーマン,シン・シティ。米国では「グラフィックノベル」(graphic novel)をベースにメディアミックスで人気を博す作品が,近年数多く現れている。グラフィックノベルとは,イラストと文章で綴られ,一定の連続性のある作品のことであり,「右開き」という特有のフォーマットを持つ日本のマンガも,“manga”として,グラフィックノベルの一角で存在感を増しつつある。 グラフィックノベルのこのような展開を受けて,米国の図書館界でも,グラフィックノベルに対する理解が深まりつつある。例えば,図書館員の選書ツールとなっているLibrary Journal誌やSchool Library Journal誌などにグラフィックノベルの多くの書評が掲載されており,また米国図書館協会(ALA)のレファレンス・利用者サービス部会(RUSA)の分科会が示した書評についての手
CiNii収録の学術論文データ,Google Scholarから検索可能に 国立情報学研究所(NII)は2007年4月9日,学術論文データベースサービス“CiNii”で提供している日本の主要学術雑誌の約300万件の論文データを,Googleによるクロール(ロボットによるデータ収集)の対象としたことを発表した。 これにより,Googleが提供している学術論文専用検索エンジン“Google Scholar”(E273,CA1606 参照)から,CiNiiが提供している論文の論題,著者名,抄録等が検索できるようになった。検索結果からは,CiNiiの各論文情報の画面に遷移し,本文が電子化されているものについては直接本文データ(一部は有料)にアクセスすることができる。 なお,Google Scholarは2006年から,科学技術振興機構(JST)の「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAG
IFLA,2007年国際マーケティング賞発表 国際図書館連盟(IFLA)は2007年4月11日,第5回の国際マーケティング賞を発表した。これは,IFLAの管理・マーケティング分科会が実施しているもので,毎年,「創造性に富み,成果指向的なマーケティングプロジェクトまたはキャンペーンを実施した組織」を募集し,表彰している。 今回は米国,英国,シンガポール,アルゼンチンなど世界12か国から24の図書館・機関が応募した。この中から,マーケティングの戦略的アプローチ,創造性・オリジナリティ・革新性や社会的価値,人々の注目を集め図書館活動を支援する可能性などの基準に従い,受賞館が選ばれた。 第1位に選ばれたのは「子どもがいる学生に配慮した図書館サービス」を実施したエストニアのタルトゥ大学図書館である。大学の試験期間中,安心して勉強に専念できるよう,開館時間を増やすとともに,保育園が閉まる時間以後に図書
図書館の日常の写真,続々と! “ライブラリーマン”を名乗る男が,こんなことを言い出した。 「1年間,毎日1日1枚の写真をウェブにアップするのは,かなりシンドイことかもしれない。けれども,365日で365枚の写真をアップするのであれば,できるかもしれない。もしそれをあなたの図書館がやったら,それはとても魅力的なコンテンツになるのではないか?図書館の活動を地元のみんなに紹介することもできるし,1年分の写真が集まればもしかしたら地元の新聞社もニュースとして紹介してくれるかもしれない。すばらしいアドヴォカシーだよね!」 ライブラリーマンは,その名も“Libraryman”というウェブサイトを運営している人物であり,ポーター(Michael Porter)という実在の図書館員である。彼は,Yahoo!系列の画像共有サイト“flickr”に,“ 365 Library Days Project”という
今回も「大宅壮一文庫雑誌記事索引」を効果的に使った事例を取り上げます。 回答を見ていきます。 『週刊文春・総目次』で2000年9月分を見るがなし。 週刊誌、総合誌からの記事を採録した「大宅壮一文庫雑誌記事索引CD-ROM版」を<沖縄サミット×晩餐会>で検索する。その結果、 資料1:『文藝春秋』 78巻11号(2000年9月) p.134-141 「サミット『晩餐会』てんやわんや」 資料2:『FORESIGHT』 11巻8号(2000年8月) p.84 「饗宴外交の舞台裏・晩餐会の演出だけは一流だった沖縄サミット」 にメニューが載っている。 また、インターネットの検索エンジン[Google]を<沖縄サミット×晩餐会×メニュー>で検索したところ、資料3の情報を得た。 資料3:『月刊専門料理』 35巻10号(2000年10月)のトピックに「2000年沖縄サミット首脳晩餐会の料理、全容公開」として
今回のレファレンス事例で提供された資料の一つに「たくさんのふしぎ」という雑誌があります。これが非常に思い出深いのですが,これについては,後半で。 レファレンスに話を戻しますと,公共図書館だとカメラについて質問を受けることはそうめずらしいことではありません。nachumeは昔のカメラの載っている資料はないか,とかライカについて書いてある資料はないかなどという質問を受けたことが何度かあります。 そうは言っても「カメラを作りたい」というのはあまり予想していない質問だと思います。レファレンスの回答として,どんな資料が提供できるでしょうか? 今回は児童書をうまく使うという点で非常にすばらしいものです。 回答と回答プロセスを見ていきます。 <回答> 『写真大百科事典』p68〈ピンホ−ルカメラ〉の項などがあり。「カメラをつくる」(『月刊たくさんのふしぎ』1987年1月号)に作り方があり、これらを提供する
今回は発言の出典探しです。 国会など議事録がのこるものなら,発言を探していくことも不可能ではないのですが,発言集のようなものが残っているかどうかすら怪しいものを見つけ出すのは至難の業です。この事例,すごいですよ。ある程度時期が特定されているとは言え,回答に至るまでが秀逸です。 <回答> J.S.Mill ”Utilitarianism”より。(J.S.ミル「功利主義論」、「世界の名著38」収録) chapter II "What Utilitarianism Is"(第2章「功利主義とは何か」) "It better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied." 訳は「満足した豚であるより、不満足な人間であるほ
「わからないことがあったらGoogleで検索しろ」と言われるぐらい詳細に情報を検索することができるGoogleが、全知全能の神を信じる教会との戦いを繰り広げています。見たところ、教会側から一方的に宣戦布告しているようですが、教会にとっては現在の敵は悪魔や異教徒ではなくてGoogleなのでしょうか。 詳細は以下の通り。 いきなりGoogleを名指しで、Googleにも答えられない質問があると突っ込んでいます Claude preps for One Web Day on Flickr - Photo Sharing! 「Googleの検索結果ではいつも満足することはできない」。だからどうなのかということを言わないあたりが遠回しでいいですね。 God vs Google on Flickr - Photo Sharing! Photo by David Cancel creative comm
昨年はマイクロソフトが1位だったのですが、今年はGoogleが1位になり、マイクロソフトは3位に後退してしまいました。やはり全世界的に見るとGoogleブランドはいまや圧倒的威力を誇っているようです。 というわけで世界のブランドランキングトップ100を見てみましょう。 Millward Brown 今回のこのランキングは知名度や事業の将来性などを金銭的価値に換算することで比較しようというもの。なので、そのブランドの知名度だけではなく総合的な経済的な価値のランキングという点に注意が必要です。 ■世界のブランドランキングトップ100 1位:Google 664億3400万ドル(7.8兆円) 2位:GE (General Electric) 618億8000万ドル(7.3兆円) 3位:Microsoft 549億5100万ドル(6.5兆円) 4位:Coca-Cola 441億3400万ドル(5.
旧ソビエト連邦が1961年に行った核爆弾「Tsar Bomba(ツァーリ・ボンバ)」の爆発実験のムービーです。ロシア語で「爆弾の皇帝」を意味する「Tsar Bomba」の威力は50メガトン級で広島型原爆の3300倍。その威力を広島型原爆と比較すると、上の図のようになります。 なお、爆発の様子は1000km離れた場所からも確認することができ、その衝撃波は地球を三周したそうです。いったい何を考えてこんなものを開発し、実験したのでしょうか。 ムービーの再生は以下から。 Worlds Largest Nuke Explosion - Google Video ちなみに以下のリンクによると、「Tsar Bomba」は本来50メガトン級ではなく、100メガトン級の威力にする予定だったそうです。しかし、100メガトン級の威力にした場合、人口密集地にまで死の灰が降り注ぐことが避けられないことから、威力を5
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