オープンアクセス運動に対し出版界が立場を表明(欧州) 欧州連合(EU)内では,研究助成成果のオープンアクセスを求める運動(E604参照)や欧州委員会(EC)による学術情報のアクセス,提供,保存に関する通知(E611参照)など,学術情報の流通に関係した各機関の動きが活発化している。このような中,「これまでは沈黙を守ってきた」とする出版界から2007年2月13日,学術研究における出版社の役割を改めて説明・主張する10か条の「ブリュッセル宣言(Brussels Declaration)」が発表された。 この宣言ではまず,出版社の使命は「経済的に持続可能なビジネスモデルによって知識を最大限に普及させることである」として,出版社が学術研究および学術界の支援を行ってきたことが強調されている。その上で,どのような媒体で出版するにしても費用がかかること,特に査読(peer review)のための費用は必要