東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、女性を蔑視する発言をした責任を取り、辞任を正式表明した。識者はどう受け止めたか。スポーツ・ジェンダー研究に取り組む城西大の山口理恵子准教授(46)に話を聞いた。 多様性なければ「化石集団」に どうしても「周囲に指摘されたから辞めた」という印象を持ってしまった。男女平等の推進をうたう国際オリンピック委員会(IOC)の中長期改革「アジェンダ2020」の検証も含め「何が問題だったのか」をしっかり議論することが重要だ。 東京オリンピック・パラリンピックを通じて、スポンサー企業による男女平等も含む「SDGs(持続可能な開発目標)」への取り組みの機が熟しつつあった。大会開幕まで半年に迫っていたこともあり、その組織委員会会長の失言は、ある意味すごいタイミングだった。 森氏の後任を巡っては「密室人事」との批判もあったと聞く。…