中国広東省広州市や深セン市は昨年6月末、地下鉄での痴漢行為を防ぐため、女性専用車両を試験的に導入した。しかし導入後、女性専用車両では多くの男性乗客が陣取っている。米メディアは、この現象が法の執行力の弱い中国社会の縮図だと指摘した。 米紙・ニューヨークタイムズ(4日)によると、広州市地下鉄の女性専用車両に乗り込んだのはほとんど男性客だという。 女性乗客は同紙に対して、地下鉄の駅員が男性乗客に対して女性専用車両を利用しないようにと説得しても、「全く聞かない。本当にマナーが悪い」と述べた。 地下鉄の駅員は、女性専用車両が導入されて以降、男性乗客に対して理解を求めて説明を繰り返したが効果は薄かったと、気を落としているという。 ニューヨークタイムズは、中国では法律・条例の執行力が弱いと指摘した。「中国当局は、性差別を禁止しているが、性差別についての定義を明確にしていない。このため、セクハラ行為を受け