盗用がアートとなって、アンダーグラウンド・ポップのスタイルとして最初に定着したのが、1980年代のヒップホップとハウスである。いまでもよく覚えているのは、80年代末、MTVのBUZZという番組内でマルコム・マクラレンやティモシー・リアリーが、アシッド・ハウスをBGMに「盗め!」と視聴者を煽動する姿だ。「盗め!」、can you dig it? ヒップホップとハウスには、快楽主義としての音楽の延長ばかりではなく、盗用アートとしてのそれが同時にあった。ヴェイパーウェイヴは、インターネットの無限地獄/エントロピーの増大における盗用音楽として始動している。 いかにもうさんくさいこのジャンルに関しては、すでに議論が活性化している。その一例。「ヴェイパーウェイヴは資本主義に対する批評か降伏か?」、その答えは「どちらでもあり、どちらでもない」 ヴェイパーウェイヴはネット時代の申し子的な、あだ花的なジャン
![[Vaporwave] | ele-king](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/be394e22e87c7e891520f3d6ad8b4453f2190a5e/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.ele-king.net%2Fupimg%2Fsam%2F709.jpg)