50万円という金額をどう思うのか。 ひとによって感じ方は違うだろうけど、多くの人にとって、少なくはない金額だろう。だがうちの祖母にとって、それを失うことはランチを逃すことと同じような感覚のようだ。 孫の自分がいうのもおかしな話だが、なかなか良くできた年寄りだ。 彼女は昭和7年に生まれ、戦中戦後の動乱期の中で育った。本人曰く「勉強はよくできた」そうだが、当時では珍しい女学校を卒業し、親族が役員をしていた大阪十三の製薬会社に勤める。私の母が生まれたあとも、歯医者で事務の仕事などをこなし、今でいうところの「バリキャリ女子」に近い生き方をしてきたようだ。 書道は師範の免許を持ち、三味線や洋裁なども嗜んできた。多趣味であると同時に、「ひとと仲良くなる」能力に関しては、大阪のオバちゃんの中でもトップクラスだ。 見ず知らずの人でも、おばあちゃんが誰かと仲良くなるのには5秒も必要ない。先日、一緒にケーキ屋
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