上のグラフ3をみると、若年失業率はたとえ景気が良い時でも全体の失業率より高い水準にありますが、景気後退時の上昇の程度をみると、全体の失業率の上昇よりも急になっています。若年失業率が全体の失業率よりも速いテンポで上昇するという現象は97年以降の景気後退局面でもみられました。 これはどうしてでしょうか。背景には日本の企業行動があります。日本の企業は景気が悪化した場合、従業員の解雇よりも、ボーナスや残業の抑制、新規採用抑制といった調整手段により対応しようとします。その結果として若年の就業機会に影響が及び若年失業率を押し上げることになります。 若年失業率が高いことはなぜ問題なのか考えてみましょう。第1に、労働力という生産要素が活用されずロスが生じるという問題があります。第2に、若い時に仕事に就かないことにより企業から必要とされる基本的なスキルが修得されず、その後にも人的資本に対する長期的な負の効果
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