1 シュッツ、あるいはプロトEMについて(続々) 3;認知主義 では、シュッツはいかに間違えたのか?(いかにその教えは覆されたのか?) リンチが見るところ、それは、彼がカウフマンに由来する認知主義的な(表象主義的な、解釈主義的な)科学観を持っていたから。カウフマン-シュッツにおける科学観は以下に書いてある。 p161 さらに,シュッツにとっては,科学の統一は知識のコーパスと1組の手続き的規則とを参照することによって特徴づけられる,ということが事実であるだけではない.日常的社会的世界「一般」もまた,「手持ちの知識のストック」と,そうした知識を実践的行為や社会的相互行為の諸状況に応じて用いていくための1組の認知的規範とを参照することによって特徴づけられる つまり図式化すれば; 知識ストック→→(認知的規範によって状況へ適用)→→理解/実践 シュッツの場合、この科学観は日常生活世界の理解/行為の