10年ほど前から今でも見かけるとまさに胸が締め付けられる気持ちになる光景がある。それは『パン屋さんでひとりでパンを買っている男の人の姿』だ。この『』内は『コンビニでひとりでパンを〜』でも『〜三人でパンを買っている〜』でも『鰻屋で55人でほねせんべいをぶちまけたイタリア人の姿』でもない 『パン屋さんでひとりでパンを買っている男の人の姿』でなければ私の胸を締め付けはしない。 この男性の姿は時間帯に関係なく見かけたときが締め付けられ時で思い立ったが吉日と言ったところだ。なぜパンを買っている男性の姿がここまで哀愁を帯びてなおかつ一句詠まれようかというくらいいとあはれなりなのか。わたしは気がついた。それは右手にトレー、左手にトング この黄金配列から醸し出されているような気がする。もしかしたらその男性はスーツ姿でアタッシュケースをもっていたかもしれない。それなのにベーカリーショップでは右にトレー、左手