金融危機が勃発して以来、銀行の行動を制御し、「大きすぎて潰せない」規模になろうとする動機をそぐにはどうすべきか、という提案がいくつか出ている。その中で最も巧妙なのは「生前遺言(living will)」を書かせるというものだ。 ただ、これを「生前遺言」と呼ぶのは正しくない。この文脈でこの言葉が意味しているのは、銀行が破綻状態になった場合、どのように分割できるかという銀行自身の手による計画のことだからだ。 むしろ、イングランド銀行のマーヴィン・キング総裁が6月の講演で名づけたように、「遺言状(will)」の方がシンプルで、より正確な用語だろう。 総裁はこの講演で次のように語っていた。「遺言状の作成は、我々が暮らすうえで有用な作業だが、銀行にとっても円滑な業務運営の一環であるべきだ」。この考え方はその後、英金融サービス機構(FSA)のアデア・ターナー長官やアリステア・ダーリング英財務相に