「なぜこの宇宙は存在するのか?」という究極の問いを超ひも理論で解き明かそうとした世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』。サイエンス好きなら書名を覚えている人も多いだろう。その著者でもあり、理論物理学者でもあるブライアン・グリーンの『時間の終わりまで』が新書化された。 なぜ物質が生まれ、生命が誕生し、私たちが存在するのか。膨張を続ける「進化する宇宙」は、私たちをどこへ連れてゆくのか。時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりである宇宙の終焉までを壮大なスケールで描き出し、このもっとも根源的な問いに答えていく本書から、「宇宙とは、時間とはなんだろう?」と考える私たちの「意識」の謎と物理学の関係に迫る。 *本記事は、『時間の終わりまで――物質、生命、心と進化する宇宙』(ブライアン・グリーン 著・青木薫 訳)から、内容を再構成してお届けします。 意識と量子物理学 過去数十年間にわたり、意識を理