正月は箱根駅伝のテレビ中継にかじりついた人も多いだろう。駅伝は他のスポーツに比べてルールが単純で誰にでもわかりやすい。また区間ごとに各チーム1人の選手が競うために各人の責任が明確で、それだけにヒューマンなドラマが数多く誕生する。寒空の下の選手たちのひたむきな姿勢と闘争心には感銘を受けた。(フジサンケイビジネスアイ) 昨年19位ながら総合優勝を果たした日体大は、先頭でたすきを渡す選手の顔が皆笑顔であったのが印象に残った。彼らはプレッシャーに押されるのではなく精神的な高揚を良い成績に結びつけたのだろう。一方、2位でたすきを渡す東洋大の選手の顔からは、追いつかなければならないプレッシャーからか笑顔が消えていた。2位では不満な大学もあるのだ。 18世紀のスイスの数学者、ベルヌーイはこれを効用(満足度)という概念で説明した。各駅伝参加校はそれぞれが自己の戦力を分析し、各自の満足できる目標に向けてでき