山田俊弘「ステノとキュビエの化石観:比較研究の試み」『亀井節夫先生傘寿記念論文集』2007年、259–267頁。 ニコラス・ステノ(1638–86)とジョルジュ・キュビエ(1769–1832)の化石に関する洞察を比較することを通じて、両者のあいだに見られる共通性を取り出そうとする論考です。ステノは化石と現生動物の比較から、かつての動物のあり方を復元し、さらには地層ごとの化石の出現状況から地球の歴史を再構成しようと試みていました。キュビエはこの手法を発展させ、明確に定式化された原理に依拠して解剖学的な所見を動物のあり方の復元に生かし、そこから明らかにされる動物相の断絶から地球がかつて被ってきた大激変の歴史を再構成するということを行いました。 動物学がこの興味深い発見を負うのは解剖学なのです。それは、動物学が、これらの動物を外部からだけ観察しては完全には達成できない発見なのです。しかしここに、
Bursting the Limits of Time: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Revolution 作者: Martin J. S. Rudwick出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2007/04/15メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (21件) を見る 地球には歴史がある。その歴史は地球上に残された痕跡から再構成することが可能である。このような考えは私たちにとっては至極当然のことのように思われます。しかしこの前提が共有されるようになったのはわずか200年ほど前、つまり1800年頃のことでした。ラドウィックの『時間の限界を突破する』はこの地球の歴史の再構成という営みがいかにして現れたかを調べた研究です。 この本はその調査の量と構成の見事さと
The Structure and Motion Laboratory contains state-of-the-art facilities and multidisciplinary expertise, the laboratory has an international reputation for excellence in this field. We investigate how animals move and how they interact with their physical environment, including how movement is controlled and the limits to performance. Our research covers the scale range from individual muscle fi
平成21年6月に記者発表を行った有田川町のモササウルス類化石について、昨年12月から本年3月にかけて化石産出地点の発掘調査を行った結果、多大な成果を挙げることができました。現在、化石のクリーニング作業を実施中で、まだまだ途中段階ではありますが、いくつかの新知見も得られましたので、中間報告をいたします。 今回の調査によって、約3×1mの範囲内に多数の骨化石が埋没している状況を確認し、これら全てを採取することに成功しました。本年5月よりこれらの化石のクリーニング作業を開始し、現在までに椎骨24個(うち20個は関節でつながった状態)、肋骨15本、歯13本、及び前肢の骨と下顎骨の産出を確認しています(骨格図参照)。この産出部位数は、今後のクリーニング作業の進展によってさらに増加するでしょう。なお、前肢の骨などの特徴から、分類学的にはモササウルス亜科の一種に含まれることも判明しました(カナダ王立テ
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