中川泉 [東京 21日 ロイター] - 日本の人手不足の「最前線」とも言える建設業界で、画期的なロボット開発が相次いで進んでいる。AI(人工知能)を駆使し、人手ゼロの現場も出てきた。 だが、製造業とは異なる厳しい作業現場を自動化するには、長い時間とコストがかかり、生産性の上昇や労働コストの圧縮はなかなか進まない。このままでは2025年に3割超の雇用が減少し、人手面から建設量を維持できないという「最悪の事態」も懸念されている。 <10年で3割が退職へ GDP成長率維持できぬ> 「このままでは、GDP維持すら難しくなる」──。 建設投資は2010年を底に17年までに3割増となった。だが、その間、就業者構成が急速に高齢化し、建設業界では、建設量の維持に不安の声が上がっている。 建設技能労働者は、55歳以上が3分の1を占める。このため相対的に高齢な労働者の「引退」が見込まれ、25年度までの10年間