赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」について熊本県の検証会議が最終報告を出したのを受け、運営する慈恵病院(熊本市)の蓮田太二理事長が28日、熊本市役所で記者会見した。報告は、子どもが出自を知ることができない匿名での受け入れに懸念を示したが、蓮田理事長は「子どものアイデンティティーは大事だが、匿名にしないと預けに来る人がいなくなる」と強調した。 07年5月の開設以来、今年9月末までに51人が預け入れられ、当初の想定よりはるかに多かった点について、蓮田理事長は「関東以北から預けられた例もあり、多いとは思わない。日本で1カ所しかないことが一番の原因だと思う」と述べた。 同病院は24時間相談窓口を設け、預け入れを望む親たちの相談も受けてきた。担当する田尻由貴子看護部長は「慈恵病院だけでは救えない子どもや母親の命がある。都道府県は匿名で相談できる態勢、国はシェルターの設置に取り組んで欲しい」と