米連邦債務の上限引き上げ問題は、日本にとっても対岸の火事ではない。日本の政府債務の水準は主要国で最悪だが、本格的な財政再建は進んでいないのが現状。今後、市場の信認を失い、国債や株が売られる「日本売り」が起きれば、実体経済への悪影響も避けられない。 米の連邦債務の上限は現在14兆2940億ドル(約1100兆円)で、2011(平成23)年度の一般会計予算の3・7倍に当たる。一方、日本の債務残高は平成23年度末見込みで995兆9千億円。一般会計予算の10・8倍に達し、「日本のほうが、はるかに厳しい」(政府関係者)。だが、日本では本格的な財政再建が進んでいない。 要因の一つは、増税論議の停滞だ。消費税率は9年に3%から5%に上がって以降、変更されていない。政府が今年6月打ち出した「税と社会保障の一体改革」では、与党・民主党の反発で、消費税増税の時期があいまいにされた。 歳出削減も「ギリギリの状況」