殺人などの罪に問われ、一審で懲役11年の判決を受けて名古屋高裁に控訴していた男性被告(29)が、弁護人が控訴趣意書を提出しなかったため、裁判を打ち切る決定(控訴棄却決定)をされていたことが21日、分かった。被告側は異議を申し立てたが、高裁は17日付で棄却した。被告側は最高裁に特別抗告ができるが、これも棄却されれば、控訴審が開かれないまま一審判決が確定する。被告は無罪を主張していた。 被告は07年11月に大分市出身の津末一守さん(当時55)を殺害し、遺体を岐阜市の長良川に捨てたとして殺人と死体遺棄の罪に問われ、昨年11月、岐阜地裁で懲役11年(求刑懲役13年)の判決を受けた。一審で被告側は「殺害、死体遺棄行為にかかわっておらず、無罪だ」と主張していた。 関係者によると、弁護人=愛知県弁護士会所属=は控訴後の昨年12月に選任され、控訴趣意書の締め切りを、当初の1月7日から延長するよう申請し