ハーバード大学の人類学教授、リチャード・ランガム氏はこのほど「Catching Fire:How Cooking Made Us Human(火を通す:調理が人間の進化に果たした役割)」を出版した。そのなかで同教授は、人類は200万年前に調理の楽しさを知って進化したという持論を展開している。 野生のチンパンジーを観察するため数日後にアフリカに渡るというランガム教授にインタビューを行った。場所はニューヨーク・マンハッタンのグリニッチビレッジにあるイタリアンレストラン。教授はサラダではなく、グリルドチキンのサンドイッチを注文した。 ランガム教授が「調理進化説」の着想を得たのは、自宅の居間で暖炉の炎を眺めながら翌日の講義のことを考えていたときだったという。「思いついたことについてしばらく考えてみたが、それまで誰も唱えたことのない、とても大きな理論だと思った」という −−調理がどのように進化を加速