納税額を賢く減らすには、「働き方」を変える選択もある──新刊『世界はなぜ地獄になるのか』がベストセラーとなり、金融・人生設計に関する著作も多数ある作家・橘玲氏は、60歳定年を機に「会社員」から「法人」になる生き方を推奨する。 * * * 「人生100年時代」は少しでも長く働くのが当たり前、という考え方が定着してきました。 ただ、60歳の定年後も漫然と同じ会社で「再雇用」を選ぶ人が多いのが現実です。私はそれよりも、稼ぐ力のある人は定年を機に「マイクロ法人」を立ち上げ、会社と業務委託契約を結ぶことをお勧めしたい。 「マイクロ法人」は私の造語で、個人事業主の法人成り、つまりは株主と取締役が自分1人しかいない会社を指します。 法人は法的な人格ですから、マイクロ法人を設立すると、個人とは別のもうひとつの人格(法人格)を持てます。個人と法人という2つの人格を使い分けることで、様々な恩恵が受けられます。