「ホモ・デウス」などの著書が累計で2千万部売れ、世界の指導者や経営者からも注目されるユヴァル・ノア・ハラリさんが、テルアビブ市内で朝日新聞のインタビューに応じた。ハラリさんは、民主主義の崩壊、人工知能(AI)やアルゴリズム支配に警鐘を鳴らすとともに、個人や集団として立ち向かうための知恵を熱く語った。 ――私たちが直面する大きな課題とは、何でしょうか。 「三つあります。核戦争を含む世界的な戦争、地球温暖化などの環境破壊、そして破壊的な技術革新です」 「三つ目が最も複雑です。AIとバイオテクノロジーの進歩は今後20~40年の間に、経済、政治の仕組み、私たちの暮らしを完全に変えてしまうでしょう。AIとロボットがどんどん人々に取って代わり、雇用市場を変える」 「新たな監視技術の進歩で、歴史上存在したことのない全体主義的な政府の誕生につながるでしょう。AIとバイオテクノロジー、生体認証などの融合によ