STAP(スタップ)細胞の論文を掲載した英科学誌ネイチャーが、1日付の同誌論説で「米国の研究公正局のように、日本も研究不正を監視する公的組織を設立すべきだ」と提言した。 実験データの捏造(ねつぞう)などの疑いに気づかずに掲載した同誌の編集責任や、論文に対する独自調査の進み具合には、触れなかった。 論説は、STAP論文問題の他、宇宙エレベーターの研究者として知られた元東京大助教の盗用や、元東邦大准教授の麻酔科医による捏造などをあげ、日本で研究不正が相次いでいると指摘した。背景として「日本には、同僚に疑惑の目を向けることを嫌がる文化がある上、研究不正を監視する体制がない」と論評した。 その上で、同誌は、安倍首相が研究不正を防ぐ仕組み作りの検討を指示したことに注目。「不正の告発に対処しながら、告発を促す環境作りも進める組織設立の好機だ」と述べた。